1873年11月、石川県金沢生まれ。小説家。本名は鏡太郎。1891年、尾崎紅葉を訪ね、門下に入る。初期を代表する『夜行巡査』『外科室』で文壇の足場を築き、以降『高野聖』『草迷宮』『歌行燈』『婦系図』など名作を次々と発表、人気作家となる。その後戯曲に興味を持ち、『夜叉が池』『海神別荘』などを発表。1914年、小説『日本橋』ではじめて日本画家の小村雪岱が装訂を手がける。本書『天守物語』は文学の範疇を超えて、舞台や映画など様々な形で表現され、今も広く愛され続けている。1939年9月没。
1964年9月、広島県広島市生まれ。小説家。青山学院大学国際政治経済学部卒。『奇譚集』『ブラバン』『バレエ・メカニック』「幽明志怪」シリーズ、「ルピナス探偵団」シリーズなど著書多数。『妖都』『ピカルディの薔薇』および監修作『エロティシズム12幻想』は金子國義の装訂による。短編集『11』(Twitter文学賞受賞)所収の「五色の舟」は近藤ようこにより漫画家され、文化庁メディア芸術祭マンガ部門で大賞を受賞した。
1936年7月、埼玉県蕨市生まれ。日本大学芸術学部在学中に舞台美術家の長坂元弘氏に師事。1964年より独学で油絵を描きはじめ、翌年、澁澤龍彦と出会い『O嬢の物語』の装訂と挿絵を担当。1967年、個展「花咲く乙女たち」(青木画廊)で画壇にデビュー。絵画のみならず、着物デザイン、写真など多岐にわたる活動は晩年も衰えることなく、十八代目中村勘三郎襲名に続き、六代目中村勘九郎襲名披露の口上の美術を手がけた。2015年3月16日、虚血性心不全により自宅寝室にて逝去。