ご結婚されるとのこと、おめでとうございます。あいにく今年は旅公演をしていないため、トリスダ島でのカラヴァルの公演はできません。次の公演はご招待のお客さまのみの特別公演ですが、もし島から出られれば、婚約者の方とごいっしょにいらしてください。贈り物として招待券を同封いたします。カラヴァルのゲームマスター、レジェンドより
総督の娘として厳しく育てられた主人公スカーレット。父に決められた結婚を数日後にひかえたある日、彼女のもとに、長年の夢だった世界最大のショー「カラヴァル」招待状が届いた。生まれて初めて故郷を抜け出し、妹のドナテラと船乗りの青年ジュリアンとともに会場に乗り込む。しかし会場に着いたとたん、ドナテラが姿を消した。
不可思議なことばかりが起こる魔法の世界で、スカーレットはドナテラを見つけ出せるのか。
このたびは素晴らしい賞をいただくことになり、どうもありがとうございます。心から感謝し、楽しみにしています。 わたしは『カラヴァル』の前に5作の小説を書きましたが、どれも出版には至りませんでした。それで、『カラヴァル』を書くにあたっては、小説を書くのはこれが最後のチャンスかもしれないという気持ちでとりくみました。以前の小説には出すのをためらっていた自分のさまざまな面をさらけだし、作家になる夢を七年間追いかける原動力になった感情をこめたのです。カラヴァルの世界を描きながら、読者のみなさんを(そして自分自身も)、自分がずっと憧れていた場所にいざないたいと思っていました。 名誉ある賞でこの本をさらにマジカルにしていただけたこと、皆さまに改めて心からの感謝を送ります。 本の雑誌増刊「本屋大賞2018」より 一部抜粋